トリプルワーク-おわりに

2006年7月から、パチンコ屋の事務員をはじめ、10月にトリプルワークとなって、約1年。1年経つと仕事にも人間関係にも慣れ、日々睡眠不足でありつつも、順調に仕事をこなしていたように思う。

2007年11月に家庭の事情で仕事を辞めて実家に帰ることにしたが、もし何もなかったらいつまでトリプルワークを続けていただろうか。

この期間を経て

・ 健康でさえあれば、何かしら仕事をみつけて食べていける。
・ よっぽど自分に合わない仕事(私の場合は教員)以外であれば続けていける。
初めは不安でも1年も経てば慣れる。

ということが分かった。

今後、仕事のことで不安になっても、このことを思い出して乗り切りたい。

健康に関しては、充分注意を払いたい。
体を壊しては元も子もない上に、いろんな意味で周りの人に迷惑がかかる。

私がいくら自分の勝手で仕事時間を増やしていても、世間から見たら、朝から晩まで働くということは「不幸」にしか見えないようだ。

だから、意地でも仕事のせいで体を壊すことのないように気をつける。
今後Wワークすることがあったとしても、なるだけ人には言わない。

(2008年5月・記)

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職場(パチンコ屋さん)エピソード

トリプルワークしていた頃、バイト仲間の話やバイト中の出来事をブログでよく書いていたが、本職のことにはあまり触れなかった。

もう辞めてだいぶ経つので、普通の会社ではあまり経験でなかったであろうことを書いておきたいと思う。

振り返ればいろいろあって面白かった。

 

<パチンコ屋さんエピソードいろいろ>

●全く別の社名を掲げているのに、実の中身はパチンコ屋の事務だった。
(事務を委託されている形態になっていたので違法ではない?)

●パチンコ=儲かると思っていたら大間違い。とっても貧乏だった。
社長の部屋に「借りた金は返すな!」という本があった。

●社長は不動産をたくさんもっている。
が、社長の人がよさすぎで、家賃を回収できない。
某飲食店は月10万程の家賃が100万以上たまっていた。
やっと出て行ってもらったが、もちろん家賃回収できないまま。

●お客さんの財布を盗ろうとしてクビになったパチンコ店社員が、「いくところがない」というので、いつまでも寮においていた。
「絶対に家賃回収できない」と皆が反対したにもかかわらず。
家賃回収できないどころか店に入り浸って、顔見知りのお客さんの玉を盗ろうとして苦情殺到。

●スナックに某ビルのフロアを貸した。
支払いが滞ったので連絡とってちょっとずつ振り込ませたりしていた。
しばらくしたある日、新聞の地方記事を見ると「無許可営業で暴力団員逮捕」。
そのスナックだった。貸してた○○さん、逮捕されてた。
というか、暴力団員だったのか。普通にいい人そうだったけど。

しばらくして戻ってきて、当然店を閉めるのだと思ったら営業しだした。
許可はおりたのかなぁ。
営業停止中、スナック店内に掃除に行ったらメイドさんやらセーラー服のコスプレがいっぱいあって、楽しげだった。

●ビルにある部屋を社長の親戚の大学院生が借りていた。
水道の調子が悪いから、留守中に見に行くようにと社長に言われた。
ついでに部屋が汚いかどうかチェックしろと言われた。

水道業者と一緒に部屋に行くと、足の踏み場もないゴミ部屋!
腰の高さまでお弁当のパックのゴミがつまれており、エロ漫画雑誌が大量にあった。

靴をどこで脱げばいいか迷っていると、水道業者が「ここは土足でいいんですよ。いつもそうだから。」とズカズカ。こっちが貸主のはずなんですけど。

社長の言うとおり「もうちょっと綺麗に片付けるように」と張り紙して帰った。
その部屋、あれだけゴミだらけなのに、何故か無臭。
事務員の間では、大学院でバイオの研究をしているらしいから、そのおかげで無臭を保てるのだと勝手に皆言っていた。

●後日談、社長がその部屋を掃除しに行った(院生!自分でやってよ!)
エロ漫画を大量に事務所に持ってかえってきた。
ネットカフェに並べようと思ったらしい。
よく見たら毛とか挟まっていた。ぎゃー!!こんなの無理。

●まじめに働いていた、寮に同棲していたカップルが夜逃げした。
一晩で荷物ごと忽然と消えた。
私は驚いたが「こういうことはよくある」らしい。

●店員間の恋愛関係のどろどろはドラマを聞いているようだった。
ちなみに事務所は店と別の場所にあるので、事務員は店長ぐらいしか会うことがない。
パチンコ屋の店長=怖そうなイメージだったがいい人が多かった。

●地方の掲示板にうちのパチンコ屋のスレッドがあった。
ストック飛ばし(どういうもんなのか私は知らないが)してると書かれていたが、同僚女子事務員によると「飛ばせるほどストックないのに。」
ある日は「サクラ雇ってる」と書かれたが、同僚によると「雇う金なんてないのに。」

●入って2ヶ月ぐらいしたとき、私以外の事務員が社長室に集められた。
あとで話の端々を拾い集めて推測するに、長くゲームセンターの店長を任せていた人が横領していたらしい!十数年にわたって何千万!もちろん警察沙汰に。

証拠となる帳簿などを整理したり、結構な事務量で資料を揃えた。
しかし、そういう事件って警察はすぐには動いてくれない。
選挙が終わったら…とか言われて、終わったけども一向にその人、逮捕されないんですが。

どうなったんだろう?
もちろんお金は戻ってきていない。

●会社が貧乏すぎるので、資金繰りが自転車操業。
しょっちゅう銀行から「残高がマイナスで小切手の引き落としができないんですが」と電話がかかってくる。
「すぐに資金移動します」と入っている口座から振り込む。
入っている口座がないときは…
その日の売り上げをかき集める!
3時までに振込みが間に合わないときは…
窓口閉まっているのに裏から持っていく!

●貧乏だと警備会社も雇えない。
だから売り上げは外回りのおじいさんが銀行に持っていく。
なんて危険!連休後は結構な額になるからさらに危険!
だから私がついていく。
おじいさんと私。二人で何千万を普通のエコバッグに入れて持っていく。
私がいたとて危険度は変わらない。

●貧乏だと警備会社も雇えないので、セコムが稼動してない。
しかし、そのことは店員には内緒。

ある日、セコムが誤作動かなんかしてベルが鳴ったらしい。
しかしセンターには繋がっていないので、当然セコム来ず。
止めたいんだけども止め方分からず。
休日にもかかわらず、支払いもしていないにも関わらずセコムに「きて」とごねてみる。1回は来てくれたけど(すごい。払ってないのに。)今後は無理だろう。

●パチンコ屋といえば新聞折込が命。
開店日には入れないとお客さんがこない。
しかし、貧乏なので折込業者への支払いがストップしてしまい、ついに契約を打ち切られた。そりゃそーだ。

仕方がないので印刷屋→折込業者→各新聞社というルートを印刷屋→自分たちの会社→各新聞社に変えた。
自分たちの会社に大量にチラシが来て、それを分けて、新聞社に持っていかなくてはならない。

誰がやるのか?謎の渋いおじさん(社長の友だちらしい)がやってくれた。

●会社にとってハラハラする日は、給料日と手形が落ちる日。
どちらも払えないと終わりだ。
私が辞める2ヶ月前だったか、給料日にどうかき集めてもお金が足りなかった。
どうやって切り抜けたか。
なんとお局様が自分のお金を100万貸した。
ありえない。(すぐに返してもらったらしいが。)

●その1ヶ月後だったか、今度は手形が落ちる日にお金が足りなかった。
しかも500万ほど。もう終わりやろ。誰もがあきらめかけたそのとき…
ある人物が500万貸してくれたそうだ。

一体誰が!?と思ってこっそり同僚に聞いたところによると、なんとなんと私と一緒にお金を銀行に運んでいた外回りのおじいさん。社長の奥さんの兄で結構な資産持ちらしい。
60かなり過ぎても、パチンコ屋でせっせと働き寮に住む、貧乏なおじいさんだ(失礼)と思っていたのにタダモノではなかった。寮に住んでいるのはなんか訳ありらしい。

●ちなみに社長個人にはお金はない。
バブル時代に買った当時は高かったであろう(今はそう価値がない)絵を売っていた。社長「他にもう売るものなんかないかなぁ」 お局様「車売ればいいんですよ」と笑いにしていた。
笑って済ませられる問題か??

●お給料と手形だけでそれだけ苦労しているので、各支払いが払えるわけがない。
まず税金。役所に頼めば分割にしてくれると知った。
固定資産税に消費税、何分割にするかもこちらで決めることができた。(ただし延滞税は当然とられる。)

●社会保険料も払えていないのでやばい。

●電気代もいつも期限に間に合わず、電力会社が集金(小切手)に来ていた。いつ止められるかひやひやしていた。

●社長のアメックスのカード、引き落としが出来ず解約された。

●そんなだから、銀行への借金の支払いもできない。
一番多く借りている金融機関へは私が辞める直前には、返済どころか利息さえ払っていなかった。そんなことで許されるのか??

お局様曰く、「うちが潰れたらそこ(金融機関)も潰れるから簡単には潰さないはず。」
その言葉どおり、数ヶ月経った、今でもなんとかやっている様子。
時間の問題かと思ったけども案外息が長い。

●ある日、破産した別のパチンコ屋の記事を見て、お局様が「うちはここの20倍ぐらいの借金があるのに何故潰れないんだろ?」

●新聞で自殺の記事を見るたびに、社長は「こんなことで死んでたら私なんて何回首くくらなきゃいけないことか♪」と言う。なんでそんなに明るいんだろう。

●でも社長。時々、アフラックの「あひるんるん、あひるんるん♪」という音楽(ぬいぐるみが歌う)を、ひとり社長室で聞いている。時々不意打ちで社長室に行くと、ひとり頭を抱えてぼやんとしている。
やっぱり辛い状況なんだ。

●有給休暇がないので、労働基準監督署によく訴えられる。
そのわりに全然制度は変わらない。社長が逆切れしたりして済んだりする…
労働基準監督署なんて全くあてにならない。

●某業者からの電話は絶対に社長に繋ぐな(居留守を使え)と言われていた。事情は聞いていないけど、どうも金貸し業者らしい。嫌味言われながらも毎日毎日居留守使った。居留守で済むんだ…

●もし社長が死んで保険金が入ったとしても、正直、借金全部返せない。
よくそんなに借りれたな。
お局様はよく「貸す方が悪い!」と言っていた。そうか??

というわけで、将来が見えないので、私の母の病気が判明して辞めるときに、ひきとめられたり「戻ってきたら仕事復帰してほしい」と頼まれたけども断った。

仕事内容も嫌ではなかったし、職場の人も個性的で好きだったけどしょうがない。厳しいと思うけど、また就職活動します。

 

<教訓>

借金も度を超すと、感覚が麻痺する。

何億もの借金があると10万円使うのが平気になる。
払うべきお金を払わないことが平気になる。

恐ろしい。

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ワーキングプア?

2006年の秋、ラブホのバイトを始めて早朝のバイトを探している頃に、とある本の取材を受けた。

ここではそのことに関しての感想などを書こうと思う。
タイトルにした「ワーキングプア」の問題について真剣に考えてみるわけじゃなくて、あくまで私が取材を受けた感想である。

仕事に関する話を聞かせて欲しいとのことだったので、おもしろそうだしこんな機会は滅多にないと話に乗った。「ワーキングプア」に関する本だということだったが、私はその時に初めて「ワーキングプア」という言葉を知った。

ネットで調べてみたけども、「でも私、一応正社員だし(事務職に就いたところだった)、年収も多分200万はいくだろうしー。」と思い、そういう層に当てはまるのだろうか?と疑問だった。

取材では調子に乗ってぺらぺらしゃべりまくって、家では「なんてったってプアだから」、ことあるごとに「プアだから(笑)」とネタにしていた覚えがある。

それでももって、出来上がって送って頂いた本がこちらである。

じゃーん↓

副題を見て。
何だって?「いくら働いても報われない時代が来る」ですって?
私の中では報われる気満々で、その記録を残すために、このサイトをやっているのだが。

読んだ(といってもドキュメント部分のみ)、第一の感想。
「しまった、こりゃまずい。調子に乗ってしゃべりすぎた。彼や友人には見せられない。」

第二の感想。
「全体を通して見ると、私ってば見事にワーキングプアに陥ってる人やん!」

ということで、この本は自分の中で封印しようと思い、なかったことに(笑)。
このサイトでも長い間、紹介しなかった。
(職歴にひっそりリンクしていたが。)
彼にも内緒にして、しばらくの間、見られないように本を持ち歩いていた徹底ぶり。

私のインタビュー部分に書いてあることは、このサイトに書いているようなことで、確かに私が話したことだ。だけども、微妙にちょっと違うねんなーと、つっこみたくなるところもあった。まあ、そんなニュアンスで自分が話していたのだろうから仕方がない。

しばらくそのまま封印中だったのだが、2007年が明けて、長い間会っていない友人(このサイトのことは当時知らなかった)から、久々にメールが。

「変なこと聞くけど、ホームページとか作ってない?本屋で本見てたら気になることがあったんだけど…」

・・・やっぱり知り合いが読めば私だとバレバレだよね。
身近な人が、本屋でこの新書を手に取ることもあるんだ!と驚き。

もうさらに年が経って、私の中で時効になったので、今更という気もするがこの話題を取りあげた。

私は、本文(ドキュメント部分以外)は実はよく読んでおらず、各章のまとめを拾い読みした程度だ。何故かというと、あまり興味がないのだと思う。読みかけたけど、頭に入らない。

結局私は、「資本主義の世の中だから差がついても仕方がない」と思ってしまう。この問題を私が考えたところでどうしようもない。あきらめの境地?

それより、自分がこの先どんな仕事を選んで(果たして選べる立場にあるのか?)、自分がどう生きるのかの方が気になって。極めて自己中心的。社会に目が向かない。

(追記)
この本、くらげネコさんも載っています。
結構前の本になるけど、機会があればご覧ください。

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